ナンシー関に捧ぐ

　先月の13日、木曜日ですわ、ちょうど有馬温泉に行ってたんですけど、朝刊を見てびっくり。ナンシー関急死って訃報のとこに書いてある。え〜、思いました。まだ39歳。僕とそない変わらんやん。

　学生時分かなぁ、ナンシー関にはまったの。消しゴム版画はもとより、その淡々とした毒舌ぶりにあっちゅう間に惹かれてしまったのでした。的を射たツッコミってあんなんでしょうね。

　毒舌といっても、やらしい感じないんですよね。カドが立たんっていうか。ん〜、確かにそうやわ、と膝を打つのばかり。で、そればっかりやないんですよね。頃合い見て、自分をオチに使ってはる。間が絶妙。悔しいけど真似でけんなぁ、と思ったのでした。

　しかし、39歳、まだまだこれからやん、と思いますけど、自分なりに落とし所探してたんかなぁ、という気もする。最近は個人情報保護法やらなんやらで、なんかだんない世の中になって来てるし。チャチャ入れる余裕みたいなもん、もうないやんか、と思ってはったのかも。あるいは、ネタにするほどのもんがないって思ってたのかもなぁ。

　心不全かなんかやったと思いますけど、それだけ肥えてたらそらあきませんわ、とツッコミの一つでも入れたくなる。でも、もうええわ、って行ってまうの考えててそないしてたんかもなぁ。

　ま、どっちにせよ、あの世で自分が死んだんをネタに消しゴム彫って、自分にツッコミ入れてるような気がするな、今頃。

　オチとしては最高においしいやんか、と思うのでした。冥福を祈ります。