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What you see is what you are...by まろたけ個人的粒焼(フォーム)
到着、到着
1999/07/04(日)


実際はもっと明るい感じ(マーレの港にて)

 さ、モルディブやぁ、と行きたいところやけど、まず着いたのはスリランカ。宝石商でもないので特に用事はなかったけれど、直行便がないからしゃあない。夜中に着いたんで、何がなんやらサッパリ分かりませんでした。ゴチャ〜っとしていて、こんなん大阪でなんぼでもあるでぇって雰囲気。一昔前はこんなんやったなぁ、って道。ガタガタ。信号らしきものがないし。なんべん飛んだか、バスん中で。

 そうそう、コロンボの空港で入国手続きをする列に並んでいるときに、テレビプロデューサーと名乗るおじさんが話しかけてきました。NHKで仕事して帰ってきたとこやて。うちの大学の農学部の人らと一緒やったというので、お〜、僕はそこのロースクールの学生ですわ、いうので話が弾んで。待ってる間、ずーっとあれこれ話していました。ま、学部生だから実際はロースクールやないねんけどね。細かいことは言いっこなしですわ。

 ま、しかし、英語に関しては出しなと機中で「JALスチュワーデスのトラベル英会話」という小さい本をチャチャッと読んでただけなんで、正直どうなるかなぁ、と思っていたんですけど、ま、なんとかなるもんですわ。ただ、一つだけ聞き取れなくて突っ込まれたのが「テラリザン」。おじさんがなんか繰り返し「テラリザン、テラリザン。」と言うので、なんか知らんけどふ〜んって顔をしていたら、お前は分かってるんか、と。怖い顔して。ハッと気がついたのが、「テロリズム」やったんですね。

 スリランカは宗教的な対立がきっついところです。タミール族とシンハリ族でしたか。出かける前にニュースでテロの話をやってたので知ってはいたんですけど、普通宗教の話はせんとか言うやん。話題になると思ってなかったわ。オ〜、マーダー、メニーピープル、といきなりしどろもどろな英語になっていたのが情けない。ま、常識なんてアテにならんのぅ、などと思ったのでした。

 それから横を素通りしていったおじさんを指して、あの人は宗教相でノーチェックなのだ、と教えてくれはりました。タラップから降りたらリムジンちゃうのン、思たけど、それを言うたら長くなると思ったので、そいつはすごいや、とビックリしておいたのだった。別れ際に頂いたいた名刺、ローマ字で書いてはあるけど、読めん。その節はどうもありがとうございました。

 外に一歩踏み出すと有無を言わさず荷物を持っていかれました。で、お兄ちゃんが怖い顔して、3ドルよこせ、と。相場は1ドルって聞いてたので(ちゅうかスリランカとかでセントは流通してるんやろか?)、何をたわけたことを言う、と。ワンダラ〜、イナ〜フ。ついでに、アホンダラァ、言うたろか思たけど、言うても分からんやろ思て辞めました。即座に2ドルに値下げ。ここで粘ってもなぁ、1ドル50セントって言いたいけど、50セントなんて持ってないし、たとえこの兄ちゃんが釣りを持っていても渡さんやろなぁ、と思い、渋々2ドルを払ったのでした。みんなぼられていたみたい。だって怖いんやもん、向こうの人の眼。洒落抜きやから。

 しかし、神さんはちゃんと見てはるって。その後送迎バスに荷物運んでいって、そこでもチップもらおうとしてたけど、もう、みんな考え同じやね。二、三人申し訳なさそうに渡した以外は誰も渡さへん。兄ちゃん一人に客が大勢やからね。文句言うてたけど、誰も聞いてない。多数の暴力もこの際大目に見ていただきたい。みんな誇らしげな顔をしてバスに乗り込んだのでした。ま、でも、得したわけやないねんけど。なんかジョークでこんな話がありました。借金したやつが渋々半額返して、これでお前も俺も半分ずつ損したからチャラやでって。

 ま、そんな感じで空港を後にし、ガタガタの道をひたすら走ってホテルに到着したのでした。その日はなんか仏教のお祭りの日とかで、そこかしこに簡易スタンドみたいなんが立っていて、あちらの神様が祭られていました。そうやなぁ、一昔前の電話が一つ入るだけの公衆電話のボックスがあったやないですか。一本足の。あれをちょっと大きくしたような感じをイメージしてもらったら分かると思う。公衆神様かぁ、なんて思ってたけど、よう考えたら日本のお地蔵さんとノリは一緒ですね。でも飾りがすごかった。お地蔵さんでもなんか赤い前掛けとかで満艦飾になってはるのがありますが、あれがもっとカラフル。蛍光灯が怪しく照らしているし。他に外灯とかがあまりなかったので、ちょっと不気味でした。

 ホテルに着いたらもう次の日ですわ。で、モルディブ行きの飛行機が10時やから朝の5時とかに起床やったと思う。もう仮眠ですわ。とりあえず部屋にあったウェルカムフルーツの知ってる果物だけ食べて寝たのだった。

 翌日、みなさんやっぱりへたってはる。そらなぁ、飛行機結構揺れてきつかったし。で、その時に同じ島に行く人の顔触れが分かって、どうやら一人なんは僕だけや、いうのに気がついたのでした。聞いたらほとんどの人が新婚旅行やという。え、そうなんや。知らんかった。僕はてっきり世捨て人系に受ける島なんか思てました。一人の時間が欲しくてブラッと来るとか。そういやダイビングがどうとか書いてたなぁ。迂闊やった。う、なんかさぶい。

 テーブルもカップルごとに陣取ってはるので、正直困ってたんですけど、そこで声を掛けてくれはったんが神奈川は平塚から来たとおっしゃるSさん夫妻だったのです。まぁ、変わったんがおるなぁ、いう感じやったんでしょうね。あれこれ世間話をしていて、僕の勘違いが受けたらしくて、なんか意気投合してしまいました。で、Sさんたちはちょっと年配やったので、旅行の間、その息子待遇として御一緒させていただくことになったのです。気っ風のいい方で、親切な人やったなぁ。奥さんかわいらしかったし。お元気でしょうか。僕、まだブラブラしてますぅ。

 で、空港に着いて、当時はまっていた指輪をあれこれ探したりして、いうてる間に出発。昨日は雨やったけど、今日はなんとか持つかなぁ、と思ってたら、飛んだ途端、ザーッと降ってきました。なんせ、小、中、高、三度の修学旅行は全部雨、大学入試も雨、さぁ遊びに行こかと思ったら雨、デートの時も雨と、思い立ったが雨の雨男なんで、またかぁ、とうなだれた次第。それを気の毒に思ったか、モルディブ人のおっちゃんがなんかあれこれ話してくれました。何話したか忘れたけど。

 う、スリランカはチャチャッと飛ばそうと思ったのに、結構字数食ってしまった。遅くなりましたが、上の写真はモルディブ空港に着いて、船に乗り込んだときに撮ったもの。この写真が一番きれいに撮れているなぁ。他のは曇天の元で撮ったのでも一つのばかり。ま、スコールの多い時期やったというのもあるけど。

 ま、そんなところで、次回はモルディブの首都マーレに着いた辺りからお話します。

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