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What you see is what you are...by まろたけ個人的粒焼(フォーム)
悲劇は突然に
1999/07/28(水)


黒いのがチラホラ見えてるのが魚です

 実際に見るとですね、魚がいっぱいなんですけど、写真で分かりますでしょうか。黒っぽいのがパラパラ見えてるのが魚なんですけど。ほんまきれいな魚がいっぱいで、水中でも使えるカメラを持ってくるべきやったと、後悔することしきり。

 一週間ほど行ってたんですけど、まぁ、歩いて20分もあればグルッと回れるようなちっこい島やったし、観るものってないから、まぁ、すぐ飽きますわな。泳ぐのもすぐ飽きたし。他には飲むか、一服するか、本読むか、そんな感じでした。

 後は、僕が空港であれこれ話してたのを見て、やたらと通訳を頼まれたくらい。買い物先で忘れ物したからそのことを言うてくれとか、ドライヤーが使えんから変圧器借りるの言うてくれとか、なんかそんなんが多かったですね。ま、一人もんやったから頼みやすかったのもあるやろけど。まさかやっつけで英語覚えた人間が通訳やるとは思わんかったけど、ま、人間必要に迫られるとなんとかなるもんです。分かる人から聞いたら、すっごい金くぎ文字みたいな英語やったやろけど。ショッピングの予約なんかでもきっと、「昨日、私はマーレでの買い物に行くための予約をあなたに告げたはずだが、あなたは承知しているか。確認されたい」って感じやったんとちゃうかなぁ。

 それはさておき、暇つぶしに魚を襲ったりしていました。うりゃうりゃあ、と。足がつくくらいのとこでね。いざとなったら歩いて逃げれるように。タコがいましたよ。1mくらいの。タコ好きなんて日本人とかイタリア人とかごく一部でしょう。多分、人間に襲われた経験がなかったやろな、あのタコ。お前はうっとうしいんじゃあ〜、ちゅ〜って感じで、色をサラサラ変えながら逃げていったのでした。たこ焼きとかしたかったけど、多分厨房貸してくれなかったやろね。

 いや、悲劇っていうのはタコのことやないです。悲劇は僕に訪れたのでした。

 その日朝飯を食べていたら、給仕のお兄ちゃんが、予約しといたら昼にカレー食えるでって。オー、そら願ったり叶ったりやがな、一つ頼むわってことで、早速お昼にカレーをいただきました。これがまたメチャメチャうまい。

 いわゆるインド系のサラサラカレーです。その時食べたのは、魚のカレー、ココナツとダール豆のカレーです。ダール豆というのは日本ではひよこ豆いうので手に入ります。コンペイトウの粒々が三つ四つって感じの、黄色っぽい豆。味は栗みたいな感じです。茹がくとほくほくしておいしい。日本に帰ってから、なんどかそれで作りました。京都なら錦市場の一番西の端の豆屋さんで手に入ります。

 で、それはよかってんけど、悲劇はその夜、突然訪れたのでした。

 急に腹痛に襲われ、トイレに駆け込むと、案の定下痢。メチャメチャお腹が痛い。しかも、便が赤い。「う〜ん、さすが本場のカレーは威力が違うわ」などと訳の分からん納得の仕方をして、その時は正露丸を飲んでしのぎました。

 結局下痢は帰国してしばらく治らなかったほどきついものでした。お隣のSさんによく効くという下痢止めをもらって飲んだけど、一向に収まらないし、日本酒で消毒やぁ、いうて飲んでも変わらない。心配になって他の人に聞いてみたら、必ずしもカレーを食べた人だけ下痢をしているわけやない。Sさんは酒飲んでるから下痢にならないのかなぁ、わっはっは、と言ってはったけど、色々突き詰めていったら、どうも水が怪しい、ということになりました。

 部屋にですね、ポットが置いてあったんですよ。冷たく冷やしたの。ちょっと塩ッけがあったんですけど、あ、こりゃ塩水かなんか濾過したんやろなぁ、と思って、極々飲んでいました。元々水飲みやから、僕。

 行きしなに読んだ旅行会社のパンフには「生水は飲めません。ホテルのお部屋にはポットがあります」とだけ書いてあったし、ガイドブックには「水道の水は飲用には適しませんので、部屋の備え付けのポットなどの水を御利用ください」とある。これだけ読んだら、飲めると思いますやん、ポットの水。

 ところが、JTBのガイドブックをよくよく読むと、「モルディブの飲み水は雨水をわかしたものを使っているので、旅行者は飲まないほうがいい」って書いてある。そんなアホなぁ、思いましたよ。アカンのかいな。

 しかも、後にアフリカにフィールドワークで行ってた友人が赤痢で死にかけたわぁって詳しく手紙に書いて送ってくれたのを見て、あぁ、あれは赤痢やったんかって知った次第。すいません、下痢してないって嘘ついて検疫すっ飛ばしました。家でも平気でトイレ使ってた。ヤバかったんやなぁ。なんもなかったけど。

 旅行中はそれでも気がつくまでガブガブ飲んでたから、もう赤痢菌、大喜びってやつですね。まさに鴨ですがな。まぁ、僕の場合、時々発作に襲われるくらいで、それほど影響はなかったからまだマシやったんですけどね。

 まぁ、寝たきりになったわけやなし、病院嫌いもあったけど、ま、なんとか気力で持たしてたから、旅行がつまらなくなるってことはなかったけど、まぁ、気分的にはあんましええことはないですね。時にウッとなりながらも、ま、ボチボチいう感じで、後はなんとかなったってお話でした。

 水と貝は気をつけるっていうのは常識らしいですけどね。これからは気をつけねば。ダイビングで来てた姉妹の人らがペットボトルを大量に持ってきてましたけど、あれは正解やと思うなぁ。今度行くときは持って行こ。

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